初日 (9人+1人)
「やぁ、パンツ何色?」
これが彼の第一声だった。赤のvitzから眩しそうに外を窺ったと思うと私達の方を一瞥し、吐き捨てるようにそう言った。私は一瞬戸惑い、「どどめ色」と言いかけた言葉を飲み込んだ。何故なら、彼の顔は笑っていたが目は笑ってなかったからだ。私は目線を合わせないように顔を伏せヘルメットを被り、これが伊豆での挨拶なのだと勝手に了解して先に車を出した彼の後をついてバイクを走らせた。
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いやービックリしたよ。頭にちん毛を生やした人が居るんだもん。
それがsLyだったんだけど・・・。
頭はちん毛なくせに、真顔で礼儀正しいんだよ?お客さん。
北海道流のギャグかな? |
伊豆は坂道とカーブが多く、地形も複雑で他所からの来訪者を拒む天然の要塞のようであった。入り組んだ地形は、分裂病の彼が居を構える際に安心できる要素の一つなのだろうか。
決して私がグローブを落とすというmissを犯すことなく、10分程で伊豆邸に到着した。周りには鬱蒼と木々が繁り、「亜熱帯め」と悪態をつくも「ファック」などと口走ることは彼の目が光っている限り許されないことは分かっていた。
キラッ |
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出迎えてくれたのは伊豆夫妻、そしてkapapaとmamyの4人。私達といえばhgw、you、inuman、sLyである。居間に通され、挨拶もそこそこに他愛ない雑談をし、31世紀通信の義務として持ち込んだボードゲイムをやることになった。
ここでやったのは、アンギャルド、操り人形、6nimmt!の3種類。これらは全て形態上はカードゲイムだが、ランダム一辺倒というものではなく、或る程度戦略が必要なものもありボード初心者には丁度良いものとして選んできたものだ。
6nimmt!はランダム要素が高めで、流れを読みきれない部分がこのゲイム面白くさせている。一方、アンギャルドはランダム要素よりも記憶と読みで勝負できるもので、山札から補充されるカードの引きをプレイヤー自身でカバーできるので、私はこのゲイムが3種の中では一番好ましい。ていうか、先住組み対31世紀で勝ち抜き戦をやったところ、私が4人全員抜いて以上というアレな展開になってしまい無常の感すら漂った。一方、操り人形はコンセプトは良いがゲイムプレイ自体にやや難を付けたいもので、結局私は操り人形をプレイしなかった。 |
到着して10分後くらいにはこの風景。タフだね:D
これはアンギャルドやってるところ。 |
予想していたよりも札幌で荷造りしたゲーム類の到着が遅く、手持ちのネタも尽きてきており移動中のaveを呼び出し東京でボードを買ってきて欲しいと連絡した。
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mamyはボードゲームをやりに来たのに肝心のボードゲームが
なかなか来ないもんだから、Kapapaの顔は既に青タンだらけさっ!
mamy
「ゲームはいつ来るんだ?!コノヤロー!uu…
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(mamy談)顔面パンチ有りの場合は右手は携帯をかける位置からやや右に。
左手はカラオケでマイクを持つ位置から少々前方に。これが構えの基本です。
あとは、とにかく手数です。打つべし!打つべし!打つべし! |
3時頃だろうか、aveがゲイムを携え到着した。aveの到着よりもゲイムが来たことの方が私達にとって喜ばしいことであり、本人は散々言われているのを気にする様子も無く、「帰れなくなる」のを理由に代金を要求してきた。私達はそれを無視しつつすぐさまゲイムの梱包を外しに掛かった。
ここで持ち込まれたのは、ボナンザ、ハイパー・ロボ、ククである。
間に夕食を挟みつつプレイ。
この日のゴハンはカレー。
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ハイパー・ロボは直進と回転(回転も壁まで進まないと不可)しか出来ない頭の悪いロボットを動かし、如何に最短手数で目的地までいけるか、を当てるものである。ここでkapapaが勝ちまくっていたようだが、私はsilと彼がやっていたアンギャルドを指導していたので良く分からない。
←ハイパーロボ。奥に見えるのは今回の
Offがきっかけでブームとなった韓国海苔。 |
↑SilとVonを指導するsLy。でもね、sLyはこの時はまだ
Sil来てるのに気がつかないことになってるの。不思議:D |
してボナンザ、これは自分の畑に豆を植え、それを刈り取り換金してトップを目指すというもの。プレイヤーは自分の手番に山札からプールされる札(手札の補充とは別)と自分の手札を交渉材料に出来、手札から植える順番が決まっている点や通称「農協」など素人にはわかりづらい部分も多いが、交渉が自由に可能なので柔軟なゲイム性が保たれていて、良質のゲイムと思われる。
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枝豆食べながら、豆ゲーム。
安い豆でも地道に育て富を築くmamyが印象的だった。 |
最後に、ククであるがこれはバックギャモンやドミノに近いもので、hgwも言及していたがボード/カードゲイムというよりもギャンブルに近い性格を持ったものである。プレイし始めて少し経過したときに食事が出来たので中断したが、面白いとは思えなかった。別にギャンブルとして遊ぶものであっても、麻雀などゲイムとして通用するものも存在するのでギャンブル系(?)という条件はゲイム自体の評価に些かも影響しないことを付記しておく。
一通りゲイムを済ませ、私はシャワーを借りた。「御借りします」と言った瞬間、私は彼が動いたのを見逃さなかった。彼は自分のタオルなどをいそいそと用意し、それを小脇に抱え私の後をついて来た。「どちらへ」と聞くと、自分も風呂に入りたかったのだ、と。どうせなら一緒に入ろうよとも言った。確かに言った。
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いやぁ、シャワーを浴びた瞬間、sLyの頭って
「増えるワカメちゃん」見たいになるのかなぁ、と思って・・・。 |
私がそのままの格好で硬直していると、見兼ねたようにmagoが立ち上がり、彼を地下室に連行した。二人は暫く帰って来なかった。二人が戻って来た。最初に現れたのはmagoで、何事も無かったかのように座に入った。心なしか上気している様子で、行動も素早く、以前よりも若々しく見える。一方彼は、音も無く鈍重に階段を上ってきた。白髪が増えたようにも見える。崩れ落ちるようにその場にへたり込んだかと思うと、体を起こさず部屋の隅に向かって這っていった。そして壁側を向いて体育座りをし、頻りに何かを呟いているようだ。
二人に何が起こったのか、私には想像出来る筈も無い。 |
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その程度で白髪が増えるワカメちゃんなら、
Pekoeはどうなるのよ?Pekoeは?あっ!既にブリーチ要らず?なるほど、なるほど。 |
夜も更け、31世紀の側で寝に入る人が数人。
私も眠気に誘われ別棟の小屋を寝室として借りることなった。生来私は神経質な方で、自分の慣れ親しんだ音環境を整えなければ眠れなかった。
小屋を片付けに来てくれたmagoが、
百足が良く出るという話を置き土産に去っていった。生来私は虫が嫌いだ。特に節足動物門大顎亜門多足上綱ムカデ綱が嫌いだ。横にはなるもmagoの話が頭から離れなかった。仕方なく小屋を出て舗装に座り、星を見ながら煙草を吸って時間を潰した。 |
参考画像/昨年のIzuOffで出たムカデ
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ムカデに限らずsLyの頭は虫には人気ありそうだよね。実際、何匹か出たり入ったりしてたもんね。
おっと、ツバメの雛も飼ってるのね。なるほど、なるほど。 |
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