一碧湖と火星の赤い旋風(かぜ)
■流れ者のジョニー 2000/08/13 (日) 03:22 AC名「自由党」、パイロット名「小沢一郎」。 M社製の最大積載量を誇る車両型脚部にデュアルキャノン、 背中にはグレネードランチャー。 キツい相手だ。 何しろ俺の愛機「MegaWank」は Z社製の軽量2脚をベースに 300発マシンガン、ラージロケット、ミサイル自動迎撃Ex、3連ブレードという 攻撃力と耐久力に関してはお世辞にも強いとは言えない機体なのだ。 Z社製パーツで固めた流麗なフォルムと、舞うような華麗な戦いが売りだが、 この相手に対しては決定的に攻撃力が不足している。 奴にはミサイルが無いので、ミサイル迎撃は外して マシンガンをもっと強力な武器に変えておくべきだったと後悔したがもう遅い。 戦いは始まってしまったのだ。 スタートのシグナルと同時に横にダッシュ。 奴のメインウェポンであるデュアルキャノンを数発食らえばそれでオシャカだ。 当たるわけにはいかない。 とりあえず奴のキャノンを回避しながらマシンガンを見舞うが、 こんな物は蚊に刺された程度にしか感じないだろう。 全弾命中したってAPの1/3も削れやしない。 となるとラージロケットが頼りだが、24発しかない上にロックオン出来ない為、 ターゲッティングに集中する必要があり、 どうしてもその間は回避がお留守になりがちだ。 奴を沈めるには、マシンガンで削れる分を引いて考えても 10発近くは当てないといけないだろう。AC相手に命中率1/3は、大深度戦争時代に 「ちんぽマークのLロケ使い」と呼ばれ恐れられた俺 でもかなり難しい。 相手の動きが遅いのが救いだが、 それでもキャノンを回避しながらとなると、出来るかどうかは甚だ疑問だ。 こんな事ならブレードも少しは練習しておけば良かったぜハニー。 そんな事を考えながらロケットの照準を合わせ、 トリガーに指を掛けた時だった。 ドォン。 衝撃と共にコクピットの警告ランプが一斉に転倒した。 やはり回避が甘かったようだ。APは1/4程度減り、 被弾による熱ダメージによりAPは依然低下を続けている。 予想以上の攻撃力。こりゃ3発耐えられるかどうかだ。 衝撃でよろけた機体を立て直し、 ブーストダッシュで奴の視界から出ようとした所にもう1発。 リロードも意外に早い。 ロケットを使おうとすれば奴のキャノンの餌食になる。 しかしロケットを使わなければ勝てない。 そんな絶望的な二者択一を迫られながら、 俺は以前ネルがメールに書いてきた言葉を思い出していた。 「レイヴンには二通りある。飛べるレイヴンと飛べないレイヴンだ。」 帰ったら、 「飛ばないレイヴンも結構強いぞ」と ツッコミのメールを返信しておこう。 #ちなみに「小沢一郎」はVon、「流れ者のジョニー」はPekoeです |