tenex先生の過去


■99/11/14(日) 07:46 Vonew
先生がボケてしまって、思い出せないようなので
変わりに私が思い出してみました。

Minocのtenex剣術道場の三代目館長。祖父にあたる初代tenexは、ロードブリティッシュから感状を贈られたほどの稀代の剣術家であり、父ニ代目tenexは町道場の館長から、一時期ではあるが、ブリテインのガード養成学校の剣術教官に出世した野心家であった。しかし、彼3代目tenexは「彼の代でtenex道場も終わり」と噂されるほど、練習嫌いで通っており、その才能を開花させることなく遺産という形で館長に就任したに過ぎなかった。Minocという土地柄、鉱夫が多く真面目に剣術を志す者も少なく、また比較的平和な時期でもあったこともあって、道場はいつも閑散としていた。

そんなtenex道場も一度だけ賑わったことがある。そう、モンスターの侵攻が始まった時である。町の若者はツルハシを剣にかえ、tenex道場に殺到した。その若者の中に現在行動を共にしているSighseer、Vonewの姿もみたられたことも付け加えておこう。また、tenex自身も「この時ほど真面目に剣術に取り組んだことは無い」と後に語っている。その証拠にこの時期に「回転あみだ返し」「ファイト一発剣」という必殺技を次々にあみだしている。稀代の剣術家の血が目覚めたのだ。

しかし、絶対的モンスターの数と破壊力の前に、にわか剣士たちは次々に倒れMinocはあっという間に陥落した。tenexもこの戦闘で42本の剣を折るまで奮戦したが、力及ばず深手を負い、その後しばらくの記憶を失うことになる。

話は少し戻るが、父の死後tenexを後継者とすることには当然親戚一同から猛反対があった。しかし先代の遺言もあり、また当時の師範代Tatsu(大戦時死亡)の発案で、親戚に分家を認め、それぞれがtenexを名乗ることで、話はまとまった。多くはブリタニア全土に散らばったのち、ほとんど交流もなくなっている。唯一Vesper tenexとは交流があったものの、大戦時に壊滅している。

tenexの家庭についても少し振れておこう。若い頃一度は結婚したものの、その複雑な性格が原因で離婚している。ぶっきらぼうで人付き合いもせず、酒を飲んで妻を必殺技の練習台にしたこともあった。もちろん子供もいない。家族といえば先代からtenex家に仕えていたmagoというメイドくらいであろう。妻が出て行ったのち、このメイドが必殺技の練習台になっていたことは周知の事実である。

さて、Windの酒場でtenexを最初に発見したのはかつての弟子のVonewであった。この時の印象をのちにVonewは次のように語っている。「顔は似ていると思いましたが、まさか本当に先生だとは思いませんでした。廃人のようにうつろな目、げっそりこけた頬、酒瓶を取り上げようとしたら、まるで野獣のような声を上げられました。昔から御酒はお好きだでいらっしゃったですけどね。Hmm」
またSighseerは「いやー、Vonewが先生を抱えてきた時は、どこの浮浪者を連れてきたのかと思いました。それで私の顔を見るなり『Pekoe,Pekoe』と言われるので、紅茶を入れて差し上げたのですが、お飲みになりませんでした。」と語っている。

その後Sighseer、Vonew等の努力で、tenexは徐々に記憶を回復つつある。同時に剣術家としてのカンも戻ってきているようだ。稀代の剣術家の血の復活が期待される。



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