メイドの独白


■1999/12/17/(金) 09:11 mago

たしは、tenex家に代々仕える由緒正しいメイドの家系に生まれました。
生まれた時から、tenex家師範のメイドになるべく
様々な教育をうけ実践を積んでまいりました。
予定では、今のtenex先生の孫の方あたりにお仕えするハズでしたが、
先生が離婚をされお子様がいらっしゃらなかったので、
祖母、母、わたしと三人のメイドがtenex先生にお仕えしておりました。

家族とはいえ、一人の人に三人ものメイドがつくのはさすがに息苦しく、
わたしは好んで、庭でtenex先生の必殺技の練習台になったり、
酔って帰れなくなったtenex先生を盛り場まで迎えに行く
といったような仕事を引き受けておりました。
そんなある日、盛り場でいろんな国を見てきたという旅人から、
どこぞの世界に伝わるミトコウモンという話を話を聞きました。
爺にふたりの護衛とかわいい娘がくっついて
悪をさばきながら旅をするという内容なのですが、
それを聞いた時、わたしもお屋敷を飛び出してそんな風に生きてみたい…
と、漠然と憧れのようなものを感じました。

それからしばらくしてモンスターの進攻が始まり、
街は壊滅、tenexのお屋敷も焼け落ちました。
祖母は茶箪笥の下敷きに、
母はレースのテーブルクロスに足を取られ逃げ遅れ死亡、
わたしは命からがらWINDの街に逃れました。
WINDで偶然1番弟子のVonew、2番弟子のSightseerに出会い、
はて、これからどうしたものかと考えていたところに、
Vonewがぼろぼろに変わり果てた先生を連れて来ました。

それから数日後、体力を回復された先生が街の外の様子をみたいというので、
Vonew、Sightseer、わたしがお供をしてBuri方面に向った時、
わたしは、ふと気がつきました。
これは憧れのミトコウモン状態ではないかと…。
そして、苦戦しながらも数体の敵を倒したあと、
カッカッカッと高らかに笑う先生の顔を見て、
わたしの心はさらに弾みました。
祖母、母の死亡、お屋敷の焼失などいろいろ悲しいできごとが続き、
生きる目的を失いかけていたわたしに、何か一筋の光が見えたのです。
…先生の右の奥歯に詰められた、きらりと光るダイヤモンドが。
おばあちゃんが茶箪笥の下で生き絶え絶えになりながら
わたしに言おうとしていたは、この事だったのね。
「…magoよ、tenexの死に目…決して見逃すでないぞ…。
 …あ、あの男の口…には…巨大な…ぐふっ」

こうしてわたしは、先生が死ぬまでおそばにお仕えすることを決心したのです。
だってわたしは生まれながらの先生のメイド。
先生の骨を拾うのはわたしの役目ですから。

 

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