がんばれ新人PK! by Bufferin(GMスミス&GMマイナー)

私の最近のお気に入りの堀場は、BRI西ガード圏内の山。初心者向きと思われがちだが、じつは青いORE(MININGスキル99以上でないと掘れない貴重品)をはじめ各色掘れる穴場だ。なんたってガード圏内だからうざったいPKにあうこともなく気楽に掘れるのがよい。ところが、だ。きのう、いつものように鼻歌交じりで調子良く掘っていたら、馬に乗ったボーンアーマー姿の男が私に近づいてきてこういった。

男:「なあ、あんたいいものみせてやろうか?」
私:「え、なになに?」
地面に置かれたバッグ中には、なんと解体された死体が二つ入っていた。

私:「ありゃ」
男:「ぐへへ、今日はもう二人殺った」
私:「あれま」
男:「そして、三人目はおまえだーっ!!!」
私:「……??でもここ、ガード圏内だよ」
男:「え?ちがうよ」
私:「そうだよ」
男:「いや、そんなはずはない!」
私:「………」
男:「ははーん、あんた俺に殺られるのが怖くて、それで…」

そういいながら、彼はおもむろに私に切りかかってきた。

私:「おいおい、いま僕がガードって叫んだら、君瞬殺されちゃうよ」
男:「ガード圏じゃねーっていってんだろ!!」
私:「ほえーー」

その間も彼はずっと私を切り続けている。しかし、HPはほとんど減っていかない。ちなみに私、裸エプロンだからAR2なのに。

私:「じゃ、今から証拠みせるからね」

本来私の魔法はGATEを出すためだけに使われるべきものだが、わからせるにはこれしかないだろう。

私:「KalVasFlam フレームストライク ボフッ」
男:「ぐへへー、ぜんぜんおまえの魔法ぜんぜんきかないぜー」
私:「だーかーらー、効かないのはガード圏内だから……」
男:「???なんの話し?」
私:「ガード圏内は魔法がきかないの、で…」
男:「ははーん、あんた初心者の魔法使いだな」

確かに私は魔法使いではない。しかしORE運びのGATEのせいでMageryも90こえている。初心者というわけでもないのだが… その間も彼はずっとわたしを切り続けている。

男:「それにしても、おまえのパンチ、おれには痛くもかゆくもないぜ」
私:「うーーん、素手だし、職人だから戦闘スキルないもんで。しかも君はボーンアーマー着てるし。」

さすがに100のHPも50ほど減らされたのでGHealを一回はさむ。

男:「卑怯だぞ!」
私:「す、すまん」

男はせっかく減らしたHPを回復されたのがよほどこたえたのか、攻撃を止め考え込んでしまった。

私:「PKやるんだったら、もちょっと勉強してからにしては?」
男:「……まあいいや、おまえは見逃してやる、行け」

「行け」と言われても、私はもともとここにいたわけで、彼のほうが来たわけで……その時、同業のマイナー通りかかった。

男:「おおー獲物だ!」

男はまっしぐらにそのマイナーに切りかかり、「ガード」と叫ばれてあっけなく瞬殺されてしまった。そして、迷うことなくその場復活。

男:「ふっ、俺もまだまだだな」

男は自分の死体から次々にアイテムを取り出し、装備しなおしている。私にはもう彼にかける言葉が見つからなかった。何か言いようもない疲れが私にのしかかってくる。「穴掘りも今日は終わりにしよう」そう思い、暗くなりはじめたBritainのなか家路についた。

追伸:あまりの疲れのせいで、リコールと間違えてマークのアイコンをダブルクリックしてしまい、家のルーンに上書きしてしまったことは誰にも言うまい。

「歩いて帰るか、とほほ」

 

 

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